RISE-Aでは、イベントやネットワーキングによる「出会い」の創出に加えて、一定期間にわたり参加者の挑戦や成長を支援する取り組みを「プログラム」として展開していきます。その第一弾として、一般社団法人OpenSUSIが実施する半導体設計人材育成プログラム「First Tapeout」を支援しています。
AI、モビリティ、ロボティクス、通信、エネルギーなど、さまざまな産業の競争力を支える半導体。半導体を「つくる」技術だけでなく、それぞれの産業や社会の課題から逆算し、どのような機能を半導体として実現するのかを構想・設計できる人材の重要性が、ますます高まっています。
RISE-Aも、半導体のユーザー、サプライヤー、サポーターをつなぎ、半導体による産業イノベーションのエコシステムを構築することを目指しています。そのためには、企業や人がつながる「場」だけでなく、次代を担う人材が実践を通じて学び、挑戦できる「機会」を増やしていくことが不可欠です。
一方、半導体設計に興味を持った学生や若手技術者が、自らのアイデアを実際のシリコンチップとして形にするところまで経験することは、決して容易ではありません。設計ツールの利用環境、製造工程へのアクセス、実務経験を持つエンジニアによる指導など、設計から試作・評価までには複数のハードルが存在します。OpenSUSIでは、オープンな設計環境やMPW(Multi-Project Wafer)を活用した試作の仕組みを整備し、こうした参入障壁を下げる取り組みを進めています。
そこで始まったのが、「First Tapeout」です。
「Tapeout(テープアウト)」とは、完成した半導体の設計データを製造工程へ送り出す、チップ開発における大きな節目のこと。First Tapeoutでは、単に半導体設計を「学ぶ」だけではなく、自ら考えたアイデアを設計し、実際に製造し、できあがったチップを動かして確かめるところまで経験することで、「学ぶ」から「つくる」へ踏み出す機会を提供します。
「First Tapeout」は、クリエータのアイデアを半導体チップに実装し、工場での試作を経て、最終的にそのチップを動かすところまでを一貫して経験する事業です。
設計ツールにはNDAフリーなオープンソースEDAを、試作にはChipFoundryのchipIgniteシャトルサービスを使うことで、商用EDAのライセンス条項や予算の制約に縛られずにアイデアの実装に集中できる環境を整えます。
なお、本事業は令和7年度の「AKATSUKIプロジェクト(※)」に採択されています。
※AKATSUKIプロジェクトは、政府の「スタートアップ育成5か年計画」(2022年決定)に基づき、経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課が所管する若手人材育成支援事業です。2000年に始まったIPA未踏事業の地方展開版と位置づけられており、地域で活躍するプロジェクトマネージャー(PM)が伴走しながら、若手のアイデア・技術を発掘・育成します。令和7年度は全国で27事業が採択されました。