2026年08月20日

DIS/設計,人材育成,宇宙・航空・防衛

「第5回エバンジェリストナイト『高専と魔改造に学ぶ未来のエンジニア育成論 -ものづくりの原点から見える未来-』」を開催しました。(6/9)

2026年6月9日、RISE GATE NIHONBASHIにて第5回RISE-Aエバンジェリストナイト「高専と魔改造に学ぶ未来のエンジニア育成論 ― ものづくりの原点から見える未来 ―」を開催しました。
本イベントでは、高専教育、ものづくり、半導体人材育成をテーマに、高専OBである登壇者がそれぞれの経験をもとに講演とディスカッションを行い、次世代エンジニア育成の在り方について議論しました。

「魔改造×高専×半導体」に共通する、ものづくりの力

髙橋 克己 氏(株式会社AIST Solutions/一般社団法人OpenSUSI エバンジェリスト)

髙橋氏は、「魔改造」の限られた部品や時間の中でアイデアによって限界を超える“突破力”、高専で15歳から手と頭を動かしながら培う“実装力”、半導体設計においてさまざまな制約条件の中から最適解を導き出す“設計力”を挙げ、3つに共通するのは「制約の中で工夫する力」であると紹介しました。

また、日本の半導体産業が新たな成長局面を迎える一方で、今後の価値創造を担う設計人材の育成が重要となっていることにも触れ、全国に広がる高専の教育・人材ネットワークへの期待を提示。本イベントを、若いエンジニアの育ち方や、それぞれが人材育成にどのように関わることができるのかを考える機会として位置づけました。

「原体験」が挑戦を生み、イノベーションにつながる

田中 章愛 氏(株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント toio事業推進室)

田中氏は、高専時代のロボコンへの挑戦を原点に、ロボットトイ「toio」の開発や「魔改造の夜」への挑戦へとつながった自身の経験を紹介しました。高専で培ったものづくりの楽しさが、新たな価値を生み出す挑戦の原動力となってきたことが語られました。

また、「原体験は原動力」「まず自分が夢中になる」「挑戦はチーム・コミュニティで行う」といったキーワードを示し、試行錯誤を繰り返しながら課題を解決する姿勢や、多様なメンバーとの協働がイノベーションにつながることを紹介しました。toioの開発では、数多くの試作とユーザーテストを重ね、子どもたちが楽しみながら学べる製品づくりを追求した経緯についても共有されました。

なぜ今、「高専」が注目されているのか

野口 健太郎 氏(国立高等専門学校機構)


野口氏からは、「なぜ今、“高専”が注目されているのか」をテーマに講演が行われました。

講演では、高い専門性と実践力を育む独自の教育システム、15歳から始まる主体的な学びの環境、そして全国に広がる高専ネットワークなど、あまり知られていない高専の強みについて紹介されました。

また、時代のニーズに応じた教育内容の刷新や、企業・地域と連携した課題解決型の「社会実装教育」を通じて、「ものづくり」から「ことづくり」へと発展し、イノベーションを創出できる人材育成の取り組みについて、半導体人材育成の具体的な事例を交えながらお話しいただきました。

パネルディスカッション:高専OBが語る高専の魅力とは?

パネルディスカッションでは、ものづくりYouTuberとして活躍するイチケン氏も加わり、高専教育が育む実践力や主体性、ものづくりの魅力について意見を交わしました。

『なぜ高専を選んだのか』『高専で身についた力』『ものづくりを楽しむ姿勢』『半導体教育の可能性』『次世代へ何を残すか』をテーマに議論が行われ、失敗を恐れず挑戦を続けること、実際に手を動かして学ぶこと、仲間と協働することの重要性が共有されました。

交流を通じた新たなつながり

イベント後半にはネットワーキングが行われ、約50名の参加者が活発に交流しました。教育機関、企業、研究機関など多様な立場の参加者が、講演内容や半導体人材育成について意見を交わし、新たな連携や共創につながる機会となりました。

開催後のアンケートでは、「登壇者の熱意が素晴らしかった」「三者三様のキャリアを築いている高専OBによるクロストークが非常に面白かった」といった声が寄せられ、本イベントを通じて、高専教育やものづくり、人材育成について新たな気づきを得られた様子がうかがえました。

今後もRISE-Aでは、多様なプレイヤーが集い、産業や立場の垣根を越えて学び合い、新たな共創につながる場づくりを推進してまいります。